美食術を求めて -スイーツ専門ブログ-

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こし餡製造の流れ

予習シリーズ-No.001: こし餡製造の流れ

 

和菓子実習1日目では小豆こし餡, 柏餅, 団子, 抹茶アイスの授業予定である。

今回は小豆こし餡について予習する。

 


小豆餡とは、小豆を原料とした餡である。
こし餡とは、こし生餡に砂糖と水を加えて練り上げた餡である。
 

こし餡の製造工程, 餡の名称についてまとめた。

 

*こし餡製造の工程

こし餡工程は、生餡製造と餡練りに大きく2つに分けられる。

生餡→餡練り→完成

生餡とは、豆に給水させ、加熱して餡粒子を取り出したまま、砂糖を加えていないものである。

 

 


<生餡の製造工程>

現在、生餡製造は製餡機を使用することがほとんど。

 

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 生餡完成品: 株式会社トチアンHPより

 

1)選定: 豆を選定する。

2)浸漬: 選定した豆を給水させる。給水時間は水温によって異なる。

*下煮: 浸漬しなかった場合に行う。

3)びっくり水: びっくり水とは沸騰後、湯温が50℃以下になるように加える水である。豆の煮えむらを防ぎ、豆中心まで加熱できるようにするもの。

4)渋切り: 煮汁をいったん捨てる。渋み苦味を取り除くことができる。

5)本煮(煮熱): 豆を水とともに鍋に入れ、弱火で煮る。豆の煮上がり時間は豆の品種によって 異なる。

6)製餡: 煮上がった豆を、目の粗いふるいにあげ、水をかけながら裏ごしし、残った皮は捨てる。この時、裏ごしされた部分が「呉」と言われる。

7)水さらし: 裏ごしした呉を水槽に入れてゆっくりと攪拌し、放置する。呉が沈んだら、上澄みの水を捨てて新しい水を加える。これを2〜5回繰り返す。灰汁や不純物を取り除く。

8)脱水: 水さらしをした呉を餡絞り機で絞る。水分を63%まで絞る。

 

 

<餡練り>
和菓子屋では、生餡を製餡所で購入し、餡練りからが多い。
この段階における配当率などを変えることで、並餡, 中割餡など名称になる。

鍋に水と砂糖を入れて沸騰させる。その後、生餡を加えて、へら数は少なく手早く混ぜ合わせ、全体に熱を入れる。目的の硬さになったらバットに取り上げる。

餡を炊き上げる際には、生餡の半量以上の水を加えることによって、餡粒子が水分を含んで膨潤し、生餡に含まれる水分と、砂糖に含まれるシロップとが混ざり合い、糖が餡粒子の中に浸漬する。

餡の製造は、煮熱により豆内のでん粉粒子をα化させ食せるようにする。β化を防ぐために、保水性の高い砂糖を加える。

 

 

 

 


*餡の名称

餡は砂糖の割合、材料や製法によって名称が異なる。

 

原料による名称
小豆餡: 小豆
白餡: 手亡豆や白小豆
うぐいす餡: 青えんどう豆
小倉餡: 小豆の生餡に、砂糖や大納言小豆の蜜漬けを加えたもの
練切餡: 中火取り餡に、水あめ、求肥白玉粉、ヤマイモ加えた餡

 

製法による名称
こし餡: こし生餡に、砂糖と水を加えて練り上げた餡
粒餡(つぶし餡): つぶ生餡に砂糖と水を加えて、粒をつぶさないように練り上げた餡
さらし餡: 粉末にした餡

 

砂糖の配合による名称
並餡: 配糖率60%
中割餡: 配糖率70%
上割餡: 配糖率80%
最中餡: 配糖率100%程度 寒天を加える
中火取り餡: 並餡より水分の少ない硬い餡
火取り餡: 中火取り餡より水分の少ない硬い餡

配糖率(%)
糖類/生餡重量 *100

 

 

<参考文献>

1) 製菓衛生師全書, 日本菓子教育センター 

2) 製菓衛生師教本 下, 一般社団法人全国製菓衛生師養成施設協会
 
 
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生餡の手順はあまり馴染みがなく、理解することが難しい。びっくり水あたりがよくわからなかった。
餡のことを勉強していたら無性に和菓子を食べたくなった。最近は和菓子屋さんでお菓子食べてないなー。